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No.25
四月の始まり【後輩組】
四月の始まり【後輩組】
pixivで非公開にしていたものをサルベージ。キャプションとか諸々全部当時のままです。
前々から腐れ縁、というより後輩組を書きたいなと思っていたらネタが降ってきたので。後輩組だけど灯色君の出番は少ない。
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扉を開き薄暗い部屋の中へと身を滑り込ませる。音を立てぬようそっと扉を閉め、冷音は室内で一際強く光を放っている場所へと歩みを進める。そこには一人の少年が座っていた。色の違う両の目で画面を食い入るように見つめ、人間離れした速度でガチャガチャとキーボードを叩く姿は小さな身体に不釣合いのように見えた。
「魂」
「ん、冷音か」
幼馴染の声に短く応える魂の瞳は画面に吸い寄せられたままだ。いつもならばほんの一瞬でも相手の顔を見るというのに、今日はその素振りすらない。それほどまでに状況が悪かった。
以前から度々悪さをしていた者達――現在判明しているのはハルト=カプサイシン=スチプチサットと弐拾四階段の道化師の二名だ――が徒党を組んで攻め込んできた。お陰で学園のサーバーを管理をしている魂は忙しいなどという言葉で済まされないほどの状態だ。大の甘党である彼の脇に山のように積み上げられた菓子は全く減っておらず、食べ物を口にする暇すらないほどの状況だということを冷音は悟った。いつもなら床で静かに眠っている灯色も今日はいない。どうしたのだと冷音が尋ねると、あまりにもやっかいなので直接始末しに行ってもらったと魂は答えた。そういえば彼はバグ退治をするのが仕事だったな、と冷音は常に眠たげな顔をした友人を思い浮かべる。
「ったく、四月に入ったばっかだってのになんでこんなことやらなきゃならねーんだよ」
画面を見つめる魂の表情は真剣そのもので、吐き出された言葉には苛立ちが滲み出ていた。自身が組み上げたプログラムが好き放題に荒らされているのだ。気分が良い訳がない。
いつもならば簡単な作業を手伝う冷音だが、今回ばかりは全く戦力にならないことは彼も自覚していた。ズノーロードーする上で必須だと語る菓子を食べる余裕すらないのだから、冷音にできることなど全くない。彼はただただ熾烈な攻防を繰り返す幼馴染の姿を眺めるしかなかった。
「まだまだかかるし先に帰っといた方がいいぞ」
そう言う魂の目が画面から離れることはない。人工的な青白い光とキーボードを叩く音ばかりが部屋を満たす。
「……じゃ、帰るよ」
「ん」
魂が最後まで冷音の姿を――どこか寂しげに、どこか悔しげに見つめるその姿を見ることはなかった。
「――――――終わったー……」
肺の中にある酸素を全て吐き出すかののように力なく呟き、魂は勢いに任せばたりと後ろに倒れこむ。重みに耐えかねた背もたれがギィと不快な音を立てた。
灯色とエスポワール、そして業務を早く切り上げた識苑の助けにより彼らを一時的に退治することに成功した。また復活する前に更に強化せねば考えるが、疲れ果てた今、すぐに実行することなど不可能だ。明日から識苑やレイシスを交えつつ案を出そう、と魂は身を起こした。
画面の隅に表示された数字を見る。四桁の数字は現在夜であることを示していた。想像より早く終わったらしい。喜ばしい限りだと立ち上がり大きく伸びをして、片付けを済ませ部屋を出る。窓から見える空は光を全て吸収するような黒で染まっていた。グラウンドのライトも既に消されており、見えるのは街灯が発する白い光ばかりだ。
ふと視界に黒以外の色が映る。その色には見覚えがある、というよりも毎日見る――いつも隣で見上げている色だった。
「冷音?」
腐れ縁である友人が壁にもたれかかっていた。思わず名を呼ぶと彼は手に持った端末から顔を上げる。相変わらずその目は長い髪に覆われていて表情は見えない。
「帰ったんじゃなかったのか?」
「課題忘れたから取りに戻ってきた」
休み明けに提出だったよね、と言う冷音の姿に魂は首を傾げた。確かに休暇中の課題は出ていたが、春休みももう終盤だというのに真面目な彼が今の今まで課題を忘れていたことに小さな違和感を覚える。
不思議に思っていると、ずいと目の前に袋を差し出された。なんだ、と目の前の友人を見るが、長い髪に阻まれて彼の目を見ることは叶わない。
「お茶買うついでに買ってきた。あげる」
更に強く差し出され、反射的に受け取る。コンビニのロゴが書かれた小さな袋の中にはチョコレートや飴といった小さな菓子が沢山詰め込まれていた。よく見ると、それはどれも魂の好物だった。
冷音の言葉はどれも明らかに嘘だ。きっとわざわざ買いに行って、わざわざ待っていてくれたのだろう。しかし何故そんなことを、と魂はますます首を傾げた。確かに今までこのようなことは何度もあったが、今日のように彼が行動することはなかったはずだ。なのに、何故今日は。疲れ切った頭でぐるぐると考えていると、ふと先ほど見た数字が浮かんだ。
今日は四月が始まる日、四月一日。――世間ではエイプリルフールと騒がれている日だ。
なるほど、と魂は内心笑う。有難いことに、腐れ縁な彼は何かとこちらを気にかけてくれる。きっと今日の惨状を見て行動に移したのだろう。『嘘をついていい日』だから、嘘をついてまで待っていてくれたのだ。申し訳なさと共に喜びが湧き上がる。
彼の不器用で優しい嘘は指摘しないでおこう。なんといったって、エイプリルフールなのだから。
「帰ろ。もう真っ暗だよ」
「おう」
漏れ出そうになる笑みを隠し、一歩先を行く冷音の背を追い廊下を歩きだそうとすると向こうから誰か歩いてきた。近くまで寄って、やっと灯色だということに気付く。
「んー……冷音……と、魂……?」
灯色は不思議そうな顔をするが、それはすぐに眠そうな表情に変わる。その足取りはいつも以上にふらふらとしていて見ているこちらが心配になるほどだ。先ほどの作業で灯色は普段以上の仕事量をこなしたのだ、疲れて眠いに決まっている。
「お疲れ」
「お疲れ。助かったわ、さんきゅー」
「あぁ……魂もお疲れ」
手を上げ礼を告げると彼もそれを真似しようとしたが、その腕はほんの少ししか動かない。表情も最早寝ていると判断されてもおかしくないようなものだ。このままでは廊下で眠ってしまいかねない。
「灯色ー? 寝るなら宿直室行けよ?」
主に夜間活動する灯色は宿直室の使用を許可されていた。無理に帰宅するよりもこちらで休んだ方が彼にとっても、学内を歩く人間にとっても安全だ。
「んー……うん……?」
応える灯色の声は力なく、瞼は八割方下ろされていた。ダメだこりゃ、と呟くとあぁ、と灯色は言葉を続けた。
「いや、大丈夫……帰るよ。今日は仕事免除されたしゆっくり寝たい……」
くぁ、と大きなあくびを一つ。いつも以上に眠そうだが、帰宅する意思がある程度には大丈夫なようだ。それでも危なっかしいことには変わりないので目を離すことはできない。もし倒れても、非力な自分と冷音では見た目よりもしっかりとした体つきの彼を起こすことは難しいのだ。
「じゃ、一緒に帰ろうか」
「ん……分かった……」
いつ倒れても大丈夫なようにと二人で灯色を挟み、廊下を進む。灯色の『大丈夫』は嘘じゃないだろうな、なんて少しだけ不安に思いながら。
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#赤志魂
#青雨冷音
#不律灯色
#後輩組
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#不律灯色
#後輩組
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SDVX
2024/1/31(Wed) 00:00
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前々から腐れ縁、というより後輩組を書きたいなと思っていたらネタが降ってきたので。後輩組だけど灯色君の出番は少ない。
扉を開き薄暗い部屋の中へと身を滑り込ませる。音を立てぬようそっと扉を閉め、冷音は室内で一際強く光を放っている場所へと歩みを進める。そこには一人の少年が座っていた。色の違う両の目で画面を食い入るように見つめ、人間離れした速度でガチャガチャとキーボードを叩く姿は小さな身体に不釣合いのように見えた。
「魂」
「ん、冷音か」
幼馴染の声に短く応える魂の瞳は画面に吸い寄せられたままだ。いつもならばほんの一瞬でも相手の顔を見るというのに、今日はその素振りすらない。それほどまでに状況が悪かった。
以前から度々悪さをしていた者達――現在判明しているのはハルト=カプサイシン=スチプチサットと弐拾四階段の道化師の二名だ――が徒党を組んで攻め込んできた。お陰で学園のサーバーを管理をしている魂は忙しいなどという言葉で済まされないほどの状態だ。大の甘党である彼の脇に山のように積み上げられた菓子は全く減っておらず、食べ物を口にする暇すらないほどの状況だということを冷音は悟った。いつもなら床で静かに眠っている灯色も今日はいない。どうしたのだと冷音が尋ねると、あまりにもやっかいなので直接始末しに行ってもらったと魂は答えた。そういえば彼はバグ退治をするのが仕事だったな、と冷音は常に眠たげな顔をした友人を思い浮かべる。
「ったく、四月に入ったばっかだってのになんでこんなことやらなきゃならねーんだよ」
画面を見つめる魂の表情は真剣そのもので、吐き出された言葉には苛立ちが滲み出ていた。自身が組み上げたプログラムが好き放題に荒らされているのだ。気分が良い訳がない。
いつもならば簡単な作業を手伝う冷音だが、今回ばかりは全く戦力にならないことは彼も自覚していた。ズノーロードーする上で必須だと語る菓子を食べる余裕すらないのだから、冷音にできることなど全くない。彼はただただ熾烈な攻防を繰り返す幼馴染の姿を眺めるしかなかった。
「まだまだかかるし先に帰っといた方がいいぞ」
そう言う魂の目が画面から離れることはない。人工的な青白い光とキーボードを叩く音ばかりが部屋を満たす。
「……じゃ、帰るよ」
「ん」
魂が最後まで冷音の姿を――どこか寂しげに、どこか悔しげに見つめるその姿を見ることはなかった。
「――――――終わったー……」
肺の中にある酸素を全て吐き出すかののように力なく呟き、魂は勢いに任せばたりと後ろに倒れこむ。重みに耐えかねた背もたれがギィと不快な音を立てた。
灯色とエスポワール、そして業務を早く切り上げた識苑の助けにより彼らを一時的に退治することに成功した。また復活する前に更に強化せねば考えるが、疲れ果てた今、すぐに実行することなど不可能だ。明日から識苑やレイシスを交えつつ案を出そう、と魂は身を起こした。
画面の隅に表示された数字を見る。四桁の数字は現在夜であることを示していた。想像より早く終わったらしい。喜ばしい限りだと立ち上がり大きく伸びをして、片付けを済ませ部屋を出る。窓から見える空は光を全て吸収するような黒で染まっていた。グラウンドのライトも既に消されており、見えるのは街灯が発する白い光ばかりだ。
ふと視界に黒以外の色が映る。その色には見覚えがある、というよりも毎日見る――いつも隣で見上げている色だった。
「冷音?」
腐れ縁である友人が壁にもたれかかっていた。思わず名を呼ぶと彼は手に持った端末から顔を上げる。相変わらずその目は長い髪に覆われていて表情は見えない。
「帰ったんじゃなかったのか?」
「課題忘れたから取りに戻ってきた」
休み明けに提出だったよね、と言う冷音の姿に魂は首を傾げた。確かに休暇中の課題は出ていたが、春休みももう終盤だというのに真面目な彼が今の今まで課題を忘れていたことに小さな違和感を覚える。
不思議に思っていると、ずいと目の前に袋を差し出された。なんだ、と目の前の友人を見るが、長い髪に阻まれて彼の目を見ることは叶わない。
「お茶買うついでに買ってきた。あげる」
更に強く差し出され、反射的に受け取る。コンビニのロゴが書かれた小さな袋の中にはチョコレートや飴といった小さな菓子が沢山詰め込まれていた。よく見ると、それはどれも魂の好物だった。
冷音の言葉はどれも明らかに嘘だ。きっとわざわざ買いに行って、わざわざ待っていてくれたのだろう。しかし何故そんなことを、と魂はますます首を傾げた。確かに今までこのようなことは何度もあったが、今日のように彼が行動することはなかったはずだ。なのに、何故今日は。疲れ切った頭でぐるぐると考えていると、ふと先ほど見た数字が浮かんだ。
今日は四月が始まる日、四月一日。――世間ではエイプリルフールと騒がれている日だ。
なるほど、と魂は内心笑う。有難いことに、腐れ縁な彼は何かとこちらを気にかけてくれる。きっと今日の惨状を見て行動に移したのだろう。『嘘をついていい日』だから、嘘をついてまで待っていてくれたのだ。申し訳なさと共に喜びが湧き上がる。
彼の不器用で優しい嘘は指摘しないでおこう。なんといったって、エイプリルフールなのだから。
「帰ろ。もう真っ暗だよ」
「おう」
漏れ出そうになる笑みを隠し、一歩先を行く冷音の背を追い廊下を歩きだそうとすると向こうから誰か歩いてきた。近くまで寄って、やっと灯色だということに気付く。
「んー……冷音……と、魂……?」
灯色は不思議そうな顔をするが、それはすぐに眠そうな表情に変わる。その足取りはいつも以上にふらふらとしていて見ているこちらが心配になるほどだ。先ほどの作業で灯色は普段以上の仕事量をこなしたのだ、疲れて眠いに決まっている。
「お疲れ」
「お疲れ。助かったわ、さんきゅー」
「あぁ……魂もお疲れ」
手を上げ礼を告げると彼もそれを真似しようとしたが、その腕はほんの少ししか動かない。表情も最早寝ていると判断されてもおかしくないようなものだ。このままでは廊下で眠ってしまいかねない。
「灯色ー? 寝るなら宿直室行けよ?」
主に夜間活動する灯色は宿直室の使用を許可されていた。無理に帰宅するよりもこちらで休んだ方が彼にとっても、学内を歩く人間にとっても安全だ。
「んー……うん……?」
応える灯色の声は力なく、瞼は八割方下ろされていた。ダメだこりゃ、と呟くとあぁ、と灯色は言葉を続けた。
「いや、大丈夫……帰るよ。今日は仕事免除されたしゆっくり寝たい……」
くぁ、と大きなあくびを一つ。いつも以上に眠そうだが、帰宅する意思がある程度には大丈夫なようだ。それでも危なっかしいことには変わりないので目を離すことはできない。もし倒れても、非力な自分と冷音では見た目よりもしっかりとした体つきの彼を起こすことは難しいのだ。
「じゃ、一緒に帰ろうか」
「ん……分かった……」
いつ倒れても大丈夫なようにと二人で灯色を挟み、廊下を進む。灯色の『大丈夫』は嘘じゃないだろうな、なんて少しだけ不安に思いながら。
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#赤志魂 #青雨冷音 #不律灯色 #後輩組