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No.36
絡【フウ→ヨウ】
絡【フウ→ヨウ】
久しぶりにわグでなんか書きたかったのでいつも通り診断メーカー使って30m。
うちのヨウコちゃんとフウリちゃんの爛れた関係とかそんなの。
わグルま!へのお題は『離してあげられなくてごめんね』です。
http://shindanmaker.com/392860
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もぞりと膝の上に乗せた少女が身じろぐ。後ろからでは表情は見えないが、きっといつも通り酷く居心地が悪そうで、端から見れば泣いてしまうのではないかと心配するくらい怯えているのだろう。それでも、そんなことは欠片も気付いていないという風に彼女に声をかける。
「どうしたの?」
「っ、な、なんでもない」
にこりと笑いかけて問うだけで彼女の身体が大きく跳ねる。普段通りに振る舞おうと返す声は硬く、なにより少し見上げた先にある金色の耳はだんだんと伏せられいた。その小さな身体も寒さをこらえるように震えている。分かりやすい反応に無意識に口角が上がる。
「そっか」
強張る彼女の腹を優しく撫でる。ひっ、と小さく息を飲む音が聞こえた。気にせずさわさわと優しく撫で続けると更に体が硬くなる。邪魔になるからと横に流された尾は大きく膨らんでいた。
どれだけ嫌悪しても、恐怖しても、彼女が自分から離れることができないのは分かり切っていることであった。自分が強要したわけではない、そもそも敵対する種族なのだから強要することなど不可能だ。ただ彼女が勝手に責任を感じて勝手にそうしているだけ。だからといって、それをわざわざ否定し遠慮する道理などない。
面白そうなものがあれば遊ぶ。それが勝手に服従する敵対種族なら尚更だ。
両腕を彼女の腹に回し、その背に身を寄せる。抱きしめる形になったそれに彼女はまた小さく悲鳴を上げた。それでも逃げ出さないというのだから頑固というかなんというか。その哀れな姿に小さく笑みが浮かんだ。
「ヨウコちゃんはあったかいね」
「……誰でもそうでしょ」
「ヨウコちゃんはあったかいよ」
その背に額をつけ、すんと鼻を鳴らす。狐の匂いは不愉快だが、彼女のそれには随分と慣れてしまった。慣れるほど、彼女で遊んでいるということだ。
彼女もこちらの匂いを不快に思っているのだろうか、なんてぼんやりと考える。その不愉快な匂いを今まさに彼女の身体に、意識に染み込ませているのだと考えるとふわりと胸の内が満たされた。
「今日は寒いし、あったかいヨウコちゃんにくっついてたいなー」
駄目かな、と問うが、彼女は震えるばかりで声すら上げない。泣いているのだろうか、とその顔を窺おうとするがただでさえ見辛い背後からでは俯いたその表情は読み取れない。まぁ、沈黙は肯定と受け取っていいだろう。そう考えて凭れかかるようにして身体を寄せた。
「ごめんね、離せなくて」
「……いいわよ」
返事する声は酷く引きつっていて聞き取り辛い。それでも、それは肯定を意味するものだった。有難う、と笑って返すと、彼女はまた震えた。
離してあげる気なんてないけどね。
心の内で呟いて、腹に回した腕に力を込めた。
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#わグルま!
#フウリ
#ヨウコ
#百合
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2024/1/31(Wed) 00:00
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もぞりと膝の上に乗せた少女が身じろぐ。後ろからでは表情は見えないが、きっといつも通り酷く居心地が悪そうで、端から見れば泣いてしまうのではないかと心配するくらい怯えているのだろう。それでも、そんなことは欠片も気付いていないという風に彼女に声をかける。
「どうしたの?」
「っ、な、なんでもない」
にこりと笑いかけて問うだけで彼女の身体が大きく跳ねる。普段通りに振る舞おうと返す声は硬く、なにより少し見上げた先にある金色の耳はだんだんと伏せられいた。その小さな身体も寒さをこらえるように震えている。分かりやすい反応に無意識に口角が上がる。
「そっか」
強張る彼女の腹を優しく撫でる。ひっ、と小さく息を飲む音が聞こえた。気にせずさわさわと優しく撫で続けると更に体が硬くなる。邪魔になるからと横に流された尾は大きく膨らんでいた。
どれだけ嫌悪しても、恐怖しても、彼女が自分から離れることができないのは分かり切っていることであった。自分が強要したわけではない、そもそも敵対する種族なのだから強要することなど不可能だ。ただ彼女が勝手に責任を感じて勝手にそうしているだけ。だからといって、それをわざわざ否定し遠慮する道理などない。
面白そうなものがあれば遊ぶ。それが勝手に服従する敵対種族なら尚更だ。
両腕を彼女の腹に回し、その背に身を寄せる。抱きしめる形になったそれに彼女はまた小さく悲鳴を上げた。それでも逃げ出さないというのだから頑固というかなんというか。その哀れな姿に小さく笑みが浮かんだ。
「ヨウコちゃんはあったかいね」
「……誰でもそうでしょ」
「ヨウコちゃんはあったかいよ」
その背に額をつけ、すんと鼻を鳴らす。狐の匂いは不愉快だが、彼女のそれには随分と慣れてしまった。慣れるほど、彼女で遊んでいるということだ。
彼女もこちらの匂いを不快に思っているのだろうか、なんてぼんやりと考える。その不愉快な匂いを今まさに彼女の身体に、意識に染み込ませているのだと考えるとふわりと胸の内が満たされた。
「今日は寒いし、あったかいヨウコちゃんにくっついてたいなー」
駄目かな、と問うが、彼女は震えるばかりで声すら上げない。泣いているのだろうか、とその顔を窺おうとするがただでさえ見辛い背後からでは俯いたその表情は読み取れない。まぁ、沈黙は肯定と受け取っていいだろう。そう考えて凭れかかるようにして身体を寄せた。
「ごめんね、離せなくて」
「……いいわよ」
返事する声は酷く引きつっていて聞き取り辛い。それでも、それは肯定を意味するものだった。有難う、と笑って返すと、彼女はまた震えた。
離してあげる気なんてないけどね。
心の内で呟いて、腹に回した腕に力を込めた。
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