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No.65
うちがわ【ライレフ/R-18】
うちがわ【ライレフ/R-18】
「最中は恥ずかしくて無理でも事後なら何とかなるのでは」とか言ってPawooで書いてたやつ。性癖詰め込んだだけあって気に入ってるけど支部には投げられそうにないので忘れる前にこっちに。
そういう直接的な描写は無いけど題材が題材なだけに念には念を押してR-18。自己責任。
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行為の終わりを悟り、必死に縋りついていた身体から力が抜ける。緊張の糸が切れたように吐きだした息は、まだ浅い悦びに足を浸けたままのとろけたものだった。
身も心も高ぶり、限界まで駆動した疲れがどっと押し寄せてくる。重いそれに包まれ、烈風刀はくたりとベッドに身の全てを預けた。力を抜いた拍子に、どろりと内部から熱い何かが溢れ出る感覚が肌を伝い、思わず眉をひそめる。つい先ほど、体内を焼くように直接注ぎ込まれたそれは、幾分か温度を失ったように思えた。それに何故だか寂しさを覚える。
そろ、と気怠い腕を持ち上げ、へその辺りを緩慢な動きでさする。漏れてもなお、ここにまだ雷刀の熱がたっぷりと残っているのだ、と考えて、火照る身体の奥に新たな熱が芽生えたように感じた。
「だいじょぶか?」
ちりちりとほのかな音をあげ存在を主張するそれから意識を逸らそうとしていると、頬を何かが撫でる感触。疲労と涙とでぼんやりとした視界の中、どうにかピントを合わせると、不安の色を浮かべた朱が己の碧を覗きこんでいるのが分かった。
「大丈夫です」
けほ、と小さく咳をして、いつもと変わらぬ返事をする。行為を終えると、毎回雷刀は無事を問うてくる。この疲れの元凶は間違いなく彼だというのに、いつも酷く心配そうに尋ねるその姿は、どこかアンバランスだ。
終わってから気を遣うぐらいなら、最初からこんな行為などしなければいいのに。時折浮かぶその考えを烈風刀が伝えることはない。最中や事後がどうであろうが、互いに互いを求めてあっているのは紛れもない事実であり、一生消えることのない欲求だろう。手酷くとまではいかないが、多少の無茶を強いられても自身がそれを欲していたことに変わりはない。否定の言葉を吐く権利など持ち合わせていない。
「でも、腹」
頬を撫でる温度が離れ、腹に乗せたままの手に同じそれが宿る。一緒に腹をさするのはなんだかくすぐったくて、気まずげに目を細め少しばかり身をよじった。
「そういうことを言うなら、中に出すのはやめたらどうですか」
ふい、と目を逸らし悪態をつく。これも合意の上で行われたものだが、負担を強いられるのは烈風刀の方である。だからこそ兄が心配するのは分かるが、そう何度も確かめられるのは嫌でもこの熱を意識してしまい、羞恥を覚えた。
えー、と困ったような、それでいて不服そうな声が降り注ぐ。弟の負担と、手に入れられる快楽を天秤にかけたような音をしていた。
「だって、烈風刀もいいって」
「いいですけど」
その選択で得ることができる快びは平等である。なので烈風刀も嫌ってはおらず、同意を求められた時は欲に溺れた思考の中で必死に頷いたのだ。兄がこのような声を漏らすのは、弟にも理解できた。
こぽり、と再び熱が漏れ出る感覚。たったそれだけで、今は理解したくない神経信号が背筋をなぞった。ぅ、と小さな声が漏れる。肌を伝うそれも、己の声も、芽生えた火に薪をくべるようだった。
やはり辛いのではないか、と勘違いをしたのか、雷刀は重ねていた手を離し、その脚の付け根に回した。汗ばんだ肌の上を、少し硬い皮膚が壊れ物を扱うかのように滑っていく。幾許かの逡巡の末、烈風刀は内部に潜り込もうとするその手を掴んだ。
「ま、だ……、いい、ですから」
もうちょっとだけ、とこぼした声は、もごもごと動く口の中に消えた。
内部に残したままでは、翌日辛いことは分かっている。早く掻き出してしまった方がいいことぐらい重々承知だ。けれども、まだ彼が与えてくれた熱を感じていたかった。
ちらりと逸らした視線を少しばかり戻すと、酷く複雑な表情で固まった雷刀の姿が見えた。こぼした言葉は男を煽る響きをしていたことに今更気付き、烈風刀は後悔に目を伏せる。嫌な予感がする。予感と言うよりも、予知と言った方が正しいぐらいにはっきりと。
諦めたように、掴んでいた手を離す。嫌な予感だが、避けたい未来ではない。受け入れることを拒むほどでもないものだ。
らいと、とそっと愛し人の名をなぞる。奥底に火を宿しつつある炎色に、挑発めいた海色が映ったのがはっきりと見えた。
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#ライレフ
#腐向け
#R18
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#腐向け
#R18
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SDVX
2024/1/31(Wed) 00:00
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そういう直接的な描写は無いけど題材が題材なだけに念には念を押してR-18。自己責任。
行為の終わりを悟り、必死に縋りついていた身体から力が抜ける。緊張の糸が切れたように吐きだした息は、まだ浅い悦びに足を浸けたままのとろけたものだった。
身も心も高ぶり、限界まで駆動した疲れがどっと押し寄せてくる。重いそれに包まれ、烈風刀はくたりとベッドに身の全てを預けた。力を抜いた拍子に、どろりと内部から熱い何かが溢れ出る感覚が肌を伝い、思わず眉をひそめる。つい先ほど、体内を焼くように直接注ぎ込まれたそれは、幾分か温度を失ったように思えた。それに何故だか寂しさを覚える。
そろ、と気怠い腕を持ち上げ、へその辺りを緩慢な動きでさする。漏れてもなお、ここにまだ雷刀の熱がたっぷりと残っているのだ、と考えて、火照る身体の奥に新たな熱が芽生えたように感じた。
「だいじょぶか?」
ちりちりとほのかな音をあげ存在を主張するそれから意識を逸らそうとしていると、頬を何かが撫でる感触。疲労と涙とでぼんやりとした視界の中、どうにかピントを合わせると、不安の色を浮かべた朱が己の碧を覗きこんでいるのが分かった。
「大丈夫です」
けほ、と小さく咳をして、いつもと変わらぬ返事をする。行為を終えると、毎回雷刀は無事を問うてくる。この疲れの元凶は間違いなく彼だというのに、いつも酷く心配そうに尋ねるその姿は、どこかアンバランスだ。
終わってから気を遣うぐらいなら、最初からこんな行為などしなければいいのに。時折浮かぶその考えを烈風刀が伝えることはない。最中や事後がどうであろうが、互いに互いを求めてあっているのは紛れもない事実であり、一生消えることのない欲求だろう。手酷くとまではいかないが、多少の無茶を強いられても自身がそれを欲していたことに変わりはない。否定の言葉を吐く権利など持ち合わせていない。
「でも、腹」
頬を撫でる温度が離れ、腹に乗せたままの手に同じそれが宿る。一緒に腹をさするのはなんだかくすぐったくて、気まずげに目を細め少しばかり身をよじった。
「そういうことを言うなら、中に出すのはやめたらどうですか」
ふい、と目を逸らし悪態をつく。これも合意の上で行われたものだが、負担を強いられるのは烈風刀の方である。だからこそ兄が心配するのは分かるが、そう何度も確かめられるのは嫌でもこの熱を意識してしまい、羞恥を覚えた。
えー、と困ったような、それでいて不服そうな声が降り注ぐ。弟の負担と、手に入れられる快楽を天秤にかけたような音をしていた。
「だって、烈風刀もいいって」
「いいですけど」
その選択で得ることができる快びは平等である。なので烈風刀も嫌ってはおらず、同意を求められた時は欲に溺れた思考の中で必死に頷いたのだ。兄がこのような声を漏らすのは、弟にも理解できた。
こぽり、と再び熱が漏れ出る感覚。たったそれだけで、今は理解したくない神経信号が背筋をなぞった。ぅ、と小さな声が漏れる。肌を伝うそれも、己の声も、芽生えた火に薪をくべるようだった。
やはり辛いのではないか、と勘違いをしたのか、雷刀は重ねていた手を離し、その脚の付け根に回した。汗ばんだ肌の上を、少し硬い皮膚が壊れ物を扱うかのように滑っていく。幾許かの逡巡の末、烈風刀は内部に潜り込もうとするその手を掴んだ。
「ま、だ……、いい、ですから」
もうちょっとだけ、とこぼした声は、もごもごと動く口の中に消えた。
内部に残したままでは、翌日辛いことは分かっている。早く掻き出してしまった方がいいことぐらい重々承知だ。けれども、まだ彼が与えてくれた熱を感じていたかった。
ちらりと逸らした視線を少しばかり戻すと、酷く複雑な表情で固まった雷刀の姿が見えた。こぼした言葉は男を煽る響きをしていたことに今更気付き、烈風刀は後悔に目を伏せる。嫌な予感がする。予感と言うよりも、予知と言った方が正しいぐらいにはっきりと。
諦めたように、掴んでいた手を離す。嫌な予感だが、避けたい未来ではない。受け入れることを拒むほどでもないものだ。
らいと、とそっと愛し人の名をなぞる。奥底に火を宿しつつある炎色に、挑発めいた海色が映ったのがはっきりと見えた。
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