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No.2
祝う日【わグルま!】
祝う日【わグルま!】
ワンドロやりたいけど1時間で絵なんて描けねーよちくしょーってことでSS書いた。突発的なあれなので30m。
リリムと鬼神族がだらだら喋ってるだけの話。
「祝日ムード」ってあったけど祝日って解釈していいのかどうか。解釈して書いたけど。
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穏やかな午後を流れる時間は普段の物よりずっとゆっくりで、皆好き好きに行動している。武器を振るい己の技を磨く者もいれば、柔らかな絨毯に寝転がりだらだらと漫画を読む者、落ち着いた色合いの調度で白く美しい食器を用い茶会を開く者もいる。
本日は勤労魔王の日。祝日である。ただ一人、魔王を除いて。
「祝日ってもやることねーしなぁ」
「私達も探索しに行かなくていいだけで何にも変わりませんね」
トンカンと工具をいじる転生悪魔――鬼神族の隣には、リリムが一人。初期から連れ添っている彼女は、時々マスターの隣で行動する。鍛え上げられた肉体と大きな角を持つ鬼神族と、小さな角と羽を持つ小柄なリリムが並ぶ姿はさながら親子のようだ。
「つーか魔王『だけ』働くってのも意味分かんねーな。魔王ってなんだっけ」
「さあ? でも、マスターは働くんですね」
本日は事実上の祝日ということで、普段探索に出かけて忙しい彼女達にも休みを与えることにした。しかし、マスターである鬼神族の行動はいつも通りのものだ。
「そりゃあ、休みなんだから好きなことするだろ」
「いつも通りじゃないですか」
「やることねーしな。家具作ってるのがいい」
互いにやる気のない様子で会話する間にも、彼の手は動く。その手にあった木材は様々な道具によって形を変え、家具らしい姿へと変わっていく。その様子を見るのがリリムは好きだった。
「そういや飯どうする? 今日、休みの店多いんだろ?」
祝日なので休みを取る店も多い。大きな店は開いているだろうが、そこまではかなり距離があった。
「材料は残ってますけど、何にしましょうか」
「もうカップ麺でよくないか。面倒くさいし」
「あー……、ストック足りるか分かりませんね。人数増えましたし」
確かにカップ麺はいくらか買ってあったはずだが、先日の『衝動買い』で、この家は随分と賑やかしくなったこの家には足りないだろう。
「そういやそうだな」
「どこかの誰かさんのせいで」
「それ、マスターに言う言葉か?」
「どうでしょ」
彼が魔界に来た時から一緒にいるリリムとの会話は主従関係から離れたようなものも多い。けれども、それは二人にとっての日常であり何ら問題のないことだ。
「まぁ、どれもこれも魔王様様だな」
魔王という存在があったからこそ、彼はここに存在し、そして彼女もこの暮らしを手に入れた。そして、多くの『家族』と出会えることができた。全ては真っ黒で正体が分からない『魔王』という王の存在があるからこそ、この安らかな日常を過ごすことができるのだ。
「なんか労う方法はねーのかな」
「毎朝おにぎりを持ってきてくださいますし、ポストに手紙でも入れておくとかどうでしょう」
「サンタクロースみたいだな」
ハハ、と彼は笑う。リリムも穏やかに笑った。
そんな穏やかな、祝日の午後。
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#わグルま!
#リリム
#鬼神族
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#リリム
#鬼神族
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2024/1/31(Wed) 00:00
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リリムと鬼神族がだらだら喋ってるだけの話。
「祝日ムード」ってあったけど祝日って解釈していいのかどうか。解釈して書いたけど。
穏やかな午後を流れる時間は普段の物よりずっとゆっくりで、皆好き好きに行動している。武器を振るい己の技を磨く者もいれば、柔らかな絨毯に寝転がりだらだらと漫画を読む者、落ち着いた色合いの調度で白く美しい食器を用い茶会を開く者もいる。
本日は勤労魔王の日。祝日である。ただ一人、魔王を除いて。
「祝日ってもやることねーしなぁ」
「私達も探索しに行かなくていいだけで何にも変わりませんね」
トンカンと工具をいじる転生悪魔――鬼神族の隣には、リリムが一人。初期から連れ添っている彼女は、時々マスターの隣で行動する。鍛え上げられた肉体と大きな角を持つ鬼神族と、小さな角と羽を持つ小柄なリリムが並ぶ姿はさながら親子のようだ。
「つーか魔王『だけ』働くってのも意味分かんねーな。魔王ってなんだっけ」
「さあ? でも、マスターは働くんですね」
本日は事実上の祝日ということで、普段探索に出かけて忙しい彼女達にも休みを与えることにした。しかし、マスターである鬼神族の行動はいつも通りのものだ。
「そりゃあ、休みなんだから好きなことするだろ」
「いつも通りじゃないですか」
「やることねーしな。家具作ってるのがいい」
互いにやる気のない様子で会話する間にも、彼の手は動く。その手にあった木材は様々な道具によって形を変え、家具らしい姿へと変わっていく。その様子を見るのがリリムは好きだった。
「そういや飯どうする? 今日、休みの店多いんだろ?」
祝日なので休みを取る店も多い。大きな店は開いているだろうが、そこまではかなり距離があった。
「材料は残ってますけど、何にしましょうか」
「もうカップ麺でよくないか。面倒くさいし」
「あー……、ストック足りるか分かりませんね。人数増えましたし」
確かにカップ麺はいくらか買ってあったはずだが、先日の『衝動買い』で、この家は随分と賑やかしくなったこの家には足りないだろう。
「そういやそうだな」
「どこかの誰かさんのせいで」
「それ、マスターに言う言葉か?」
「どうでしょ」
彼が魔界に来た時から一緒にいるリリムとの会話は主従関係から離れたようなものも多い。けれども、それは二人にとっての日常であり何ら問題のないことだ。
「まぁ、どれもこれも魔王様様だな」
魔王という存在があったからこそ、彼はここに存在し、そして彼女もこの暮らしを手に入れた。そして、多くの『家族』と出会えることができた。全ては真っ黒で正体が分からない『魔王』という王の存在があるからこそ、この安らかな日常を過ごすことができるのだ。
「なんか労う方法はねーのかな」
「毎朝おにぎりを持ってきてくださいますし、ポストに手紙でも入れておくとかどうでしょう」
「サンタクロースみたいだな」
ハハ、と彼は笑う。リリムも穏やかに笑った。
そんな穏やかな、祝日の午後。
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