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No.26
あまやどり【神奈子+早苗】
あまやどり【神奈子+早苗】
pixivで非公開にしていたものをサルベージ。キャプションとか諸々全部当時のままです。
お題:神の経験[15m]
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「神様でもやったことないことってあるのでしょうか?」
「あるよ。いっぱいある」
外は雨。神社の賽銭箱の前、雨宿りをするように座っている早苗が小さく呟く。隣に座った神奈子は同じく呟くように答えた。
「神様なのにですか?」
「神様だからだよ」
神奈子の言葉に早苗は首をかしげる。何でもできる神奈子様にもできないことなんてあるのだろうか。小さな早苗には分からなかった。
「早苗みたいに学校に通ったことはないね」
「そうなのですか?」
早苗は目を丸くする。こんなになんでもできる神奈子様が、学校に行ったことがないだなんて。
「だから、早苗が羨ましいよ」
「そんなこと、ないです」
遊ぶのは楽しいけど勉強は嫌です、と早苗は口をとがらせる。子供らしいその姿に微笑んで、神奈子は彼女の頭を撫でた。
「勉強も楽しくなるさ」
「楽しくなりません」
「なるさ。興味があることが出てきたら、楽しくなる」
「……学校の勉強では、神様のことは出てくるのでしょうか?」
小さな瞳が神奈子を見上げる。神と日々を過ごす彼女にとって、神は最大の関心事だった。彼女らが出てくる話はないかと図書館で本を読み漁った日々もあった。神奈子たちの話に耳を傾けることは日常と化している。彼女にとって神は別格の存在なのだ。それが学べるなら、どんなに楽しいのだろう。気になって仕方ないのだ。
「あー……、あるんじゃないかね」
「あるんですか?」
「学校に行ったことないから分からないや」
「ずるいです!」
逃げるような神奈子の言葉に早苗は頬を膨らます。神奈子は申し訳なさそうに笑った。
「まぁ、頑張りなさいな」
「うー……」
小さく唸る彼女の頭を優しく撫で、緑色の細い髪を梳く。少しだけ雨に濡れたその髪は、いつもより少し濃いように見える。
雨はまだ止みそうにない。
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#八坂神奈子
#東風谷早苗
#八坂神奈子
#東風谷早苗
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東方project
2024/1/31(Wed) 00:00
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あまやどり【神奈子+早苗】
あまやどり【神奈子+早苗】pixivで非公開にしていたものをサルベージ。キャプションとか諸々全部当時のままです。
お題:神の経験[15m]
「神様でもやったことないことってあるのでしょうか?」
「あるよ。いっぱいある」
外は雨。神社の賽銭箱の前、雨宿りをするように座っている早苗が小さく呟く。隣に座った神奈子は同じく呟くように答えた。
「神様なのにですか?」
「神様だからだよ」
神奈子の言葉に早苗は首をかしげる。何でもできる神奈子様にもできないことなんてあるのだろうか。小さな早苗には分からなかった。
「早苗みたいに学校に通ったことはないね」
「そうなのですか?」
早苗は目を丸くする。こんなになんでもできる神奈子様が、学校に行ったことがないだなんて。
「だから、早苗が羨ましいよ」
「そんなこと、ないです」
遊ぶのは楽しいけど勉強は嫌です、と早苗は口をとがらせる。子供らしいその姿に微笑んで、神奈子は彼女の頭を撫でた。
「勉強も楽しくなるさ」
「楽しくなりません」
「なるさ。興味があることが出てきたら、楽しくなる」
「……学校の勉強では、神様のことは出てくるのでしょうか?」
小さな瞳が神奈子を見上げる。神と日々を過ごす彼女にとって、神は最大の関心事だった。彼女らが出てくる話はないかと図書館で本を読み漁った日々もあった。神奈子たちの話に耳を傾けることは日常と化している。彼女にとって神は別格の存在なのだ。それが学べるなら、どんなに楽しいのだろう。気になって仕方ないのだ。
「あー……、あるんじゃないかね」
「あるんですか?」
「学校に行ったことないから分からないや」
「ずるいです!」
逃げるような神奈子の言葉に早苗は頬を膨らます。神奈子は申し訳なさそうに笑った。
「まぁ、頑張りなさいな」
「うー……」
小さく唸る彼女の頭を優しく撫で、緑色の細い髪を梳く。少しだけ雨に濡れたその髪は、いつもより少し濃いように見える。
雨はまだ止みそうにない。
畳む
#八坂神奈子 #東風谷早苗