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No.40
埋め火【ライ←レフ】
埋め火【ライ←レフ】
リハビリに未送信ボックスの中に埋もれてた文章完成させた。
片思いしてる弟君がごちゃごちゃ考えてるだけの話。
これ
の対みたくしたかったけど、形式が同じなだけで繋がりは全く無い。
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雷刀に彼女ができたらしい。
そんな風の噂が聞こえてくるが、それは真っ赤な嘘であると烈風刀は知っている。
雷刀のことだ、もし彼女なんてものができればもっと浮足立っているだろう。感情に素直で何事も顔に出やすい彼がそれを隠し普段通り過ごせる訳がない。なにより、自分にその類のことを一切話してこないのだ。些細なことでも話し、時に自慢し、時に泣きつき、時に頼ってくる彼がそんな人生における重大ニュースを告げないはずがない。だから、噂の真偽を確認する必要性などない。
それが恐怖故の言い訳だということを、烈風刀は理解している。
雷刀に彼女ができるなど――想いを寄せる人に恋人ができるなど、考えたくもない。もし噂が事実なら。そう考えるだけで心臓が締め付けられる思いがする。頭が理解することを拒否する。恐怖が身体を支配する。仮定した場合ですらこれなのだ、受け入れたくない事実を知ってしまったら一体自分はどうなってしまうのだろう。それは明確な恐怖であった。
その恐怖が消えることなどない、と烈風刀は諦めている。
彼と自分が男女のそれのような仲になることなどありえない。想いを伝えることすら困難――否、不可能である。同性、それも血を分けた兄弟なのだ。弟に恋慕の情を寄せられて喜ぶ兄などいない。むしろ、気持ちが悪く離れようとするだろう。そればかりは耐えられない。だから、黙っているしかないのだ。自分には彼が誰かと恋仲になるのではないか、離れていくのではないか、と恐怖を抱くことしかできない。一生越えられない壁がそこにはある。
そもそも何故そんな噂が流れているのだろう、と烈風刀は思案する。
大方、告白された現場を人に見られたのだろう。それが人に伝わっていくにつれ歪み、現在の形に至ったのだろう。伝言ゲームとはそんなものだ。
告白、と考えて胸がざわつく。明るく元気な彼は誰に対しても臆することなく触れ合い裏表無く接する。故に多くの人に慕われている。その中に好意を――恋愛感情をもつ人間がいてもおかしくないだろう。現に彼が幾度か告白されたことは知っている。その度真剣に考え全て断っていたは意外だけれど。
こくはく、と口の中で呟く。自分は決してしない――することなどできないそれは、どのようなものだろう。自身も幾度か受けたことがあるが、彼女達はどのような思いで自らの内に秘めた感情を口にしたのだろう。そして、結ばれなかったその想いはどのように消えていくのだろう。壊され砕けた想いはどうやって心の内から消すことができるのだろう。何事も永遠に『好き』でいることなどできない。けれども、一時的にも胸の内に燻り焦がれ熱をあげるその感情をすぐに消すことなどできるのだろうか。
早く消えてしまえばいいのに、と烈風刀は嘆息する。こんな想いなど、血を分けたただ一人の兄への恋心など不必要――まずもってはいけないものなのだ。こんな感情を抱いていること自体が罪であるようにも思える。
愛なんてなければ。恋なんてなければ。そう考えても恋慕の情が消えることなどない。彼がいなければ、自分がいなければ。追い詰めるような考えは意味など全く成さない。
胸を焦がすこの感情は身を苛むばかり。
彼がいる限り、この熱が消えることはない。
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#ライレフ
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SDVX
2024/1/31(Wed) 00:00
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そんな風の噂が聞こえてくるが、それは真っ赤な嘘であると烈風刀は知っている。
雷刀のことだ、もし彼女なんてものができればもっと浮足立っているだろう。感情に素直で何事も顔に出やすい彼がそれを隠し普段通り過ごせる訳がない。なにより、自分にその類のことを一切話してこないのだ。些細なことでも話し、時に自慢し、時に泣きつき、時に頼ってくる彼がそんな人生における重大ニュースを告げないはずがない。だから、噂の真偽を確認する必要性などない。
それが恐怖故の言い訳だということを、烈風刀は理解している。
雷刀に彼女ができるなど――想いを寄せる人に恋人ができるなど、考えたくもない。もし噂が事実なら。そう考えるだけで心臓が締め付けられる思いがする。頭が理解することを拒否する。恐怖が身体を支配する。仮定した場合ですらこれなのだ、受け入れたくない事実を知ってしまったら一体自分はどうなってしまうのだろう。それは明確な恐怖であった。
その恐怖が消えることなどない、と烈風刀は諦めている。
彼と自分が男女のそれのような仲になることなどありえない。想いを伝えることすら困難――否、不可能である。同性、それも血を分けた兄弟なのだ。弟に恋慕の情を寄せられて喜ぶ兄などいない。むしろ、気持ちが悪く離れようとするだろう。そればかりは耐えられない。だから、黙っているしかないのだ。自分には彼が誰かと恋仲になるのではないか、離れていくのではないか、と恐怖を抱くことしかできない。一生越えられない壁がそこにはある。
そもそも何故そんな噂が流れているのだろう、と烈風刀は思案する。
大方、告白された現場を人に見られたのだろう。それが人に伝わっていくにつれ歪み、現在の形に至ったのだろう。伝言ゲームとはそんなものだ。
告白、と考えて胸がざわつく。明るく元気な彼は誰に対しても臆することなく触れ合い裏表無く接する。故に多くの人に慕われている。その中に好意を――恋愛感情をもつ人間がいてもおかしくないだろう。現に彼が幾度か告白されたことは知っている。その度真剣に考え全て断っていたは意外だけれど。
こくはく、と口の中で呟く。自分は決してしない――することなどできないそれは、どのようなものだろう。自身も幾度か受けたことがあるが、彼女達はどのような思いで自らの内に秘めた感情を口にしたのだろう。そして、結ばれなかったその想いはどのように消えていくのだろう。壊され砕けた想いはどうやって心の内から消すことができるのだろう。何事も永遠に『好き』でいることなどできない。けれども、一時的にも胸の内に燻り焦がれ熱をあげるその感情をすぐに消すことなどできるのだろうか。
早く消えてしまえばいいのに、と烈風刀は嘆息する。こんな想いなど、血を分けたただ一人の兄への恋心など不必要――まずもってはいけないものなのだ。こんな感情を抱いていること自体が罪であるようにも思える。
愛なんてなければ。恋なんてなければ。そう考えても恋慕の情が消えることなどない。彼がいなければ、自分がいなければ。追い詰めるような考えは意味など全く成さない。
胸を焦がすこの感情は身を苛むばかり。
彼がいる限り、この熱が消えることはない。
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