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No.66
おひさまのいろ【ライレフ】
おひさまのいろ【ライレフ】
Pawooで書いてたいかがわしいようないかがわしくないようなちょっといかがわしい話。判断のつかないものは支部に投げられないのでこっちに投げておけという精神。
お腹を触るのが好きという話。あと飯食えって話。
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シーツの上に散らばる髪よりもずっと深い、海の底のような青に触れる。その裾をつまみ、雷刀はなだらかな身体を撫でるように薄いそれをめくっていく。すぐ下から現れた肌は、冬の冷たい陽光を浴びた雪のように白く、薄暗い部屋の中ほのかに輝いていた。元より色が薄いのもあるが、その身を包んでいたシャツの色と己の手との対比で更に色を失っているように見えた。
胸のすぐ下、中途半端に押しやった薄布から手を離し、少年は晒されたそこに直接触れる。見た目よりもずっと硬く、血の通った温度をしたそこは、指一つつけただけで反射のように震えた。そのまま恐る恐るといった調子で肌の上を滑っていく。見た目通りなめらかな白は触り心地の良いものだ。
「くすぐったいですよ」
ふふ、と小さな笑い声が耳をくすぐる。手を伝ったずっと先、烈風刀は寝転がったままで腹部を撫でるその手を眺めていた。言葉に反して、抵抗する様子は一切ない。好きにしてくれ、と言わんばかりに、その腕はシーツの上に投げ出されていた。
「ほんと、烈風刀の肌ってしっろいなぁ」
「貴方が日に焼けただけでしょう」
証明するように、烈風刀は腕を伸ばし兄のそれを掴む。触れた手とその甲、すらりと伸びゆくそれは、すっかりと日に焼けた雷刀のそれより少し薄く色づいているが、肘を過ぎた二の腕のあたりは腹部と同じ白を保っていた。何も着ない上に日焼け止めを塗らないからこうなるのですよ、と弟はどこか愉快そうに笑う。
つい先日、何年ものすれ違いの末、ようやく愛しいレイシスと海に行く事が叶った少年二人ははしゃぎにはしゃいだ。夏の強い日差しの下、同じく約束づけた友人らと日が暮れるまで様々な遊びに興じた彼らの肌が健康的に色付いたのはごく自然なことである。ただ、烈風刀は日焼け止めを塗り、パーカーを着ていたので多少その被害が抑えられていた。露出していた部分は健康的な色で染まり、薄い布地で保護されていた箇所は元のままだ。そのはっきりと分かれた二色の対比はどこか艶めかしい。そう感じるのはオレだけかもしれない、と雷刀は眺めてぼんやりと考える。否、そもそも潔癖で鉄壁で純粋で純潔な烈風刀のこんなところを見ることができるのは、自分ぐらいだ。ならばどう思っても全く問題はあるまい。弟のこんな姿を見るのは自分一人だけでいい。
しっかりとした筋肉のついた硬い腹を撫でていく。へその下から撫で上げ、そのまま脇へと向かうと、また笑い声があがった。くすぐったそうにもぞもぞと動く様は、常は大人びた雰囲気をまとう彼にしては珍しく幼く見えた。
「……ちゃんと飯食ってるよな?」
「食べていますよ。何ですか、いきなり」
「いや、細くね? 大丈夫か?」
脇腹からわずかな曲線を描く腹を超え、反対の脇へ。なぞったそこの距離は酷く短く思え、雷刀は少しの焦りを覚える。下手をすればレイシスよりも細いのでは、と不穏な疑問がよぎった。
「そうですか?」
疑問符を浮かべた様子で、烈風刀は兄と同じように己の腹部を撫でる。示されたルートを辿り首を傾げる姿は、投げかけられた疑問が全く理解できないと言った調子に見えた。
「なぁ、明日から飯増やそ?」
「だから食べていますってば。体質によるものではないのですか?」
「だってオレはふつーだし」
ほら、と腹部に置かれた手を取り、雷刀は自身の腹にそれを引き寄せた。烈風刀は肘をついて少し起き上がり、示された硬いそこをぺたぺたと触る。細い指が先程と同じ動きで肌を撫ぜる。他者に触れる故か慎重なその手つきに、むずむずとこそばゆさを覚えた。思わず小さな笑いを漏らすと、ほら、といった風に碧の目がいたずらげに訴える。なるほど、確かにこれは笑ってしまうのも無理はない。
「やはり変わらないと思いますが」
「そーか?」
「メジャーがあったはずですし、あとで測ってみますか?」
あとで、の部分がどこかゆっくりと聞こえたのは気のせいか。そーだな、と手早く切り上げ、雷刀は再び白い肌に手を伸ばす。先程と同じ道を辿り、今度はたくし上げた服の下へ。ひくりとその身体が震えたのは、気のせいではないはずだ。
「……脱がさないの、好きですよね」
へんたいみたい、と罵る弟の声はその語に反して柔らかい。じゃれつくようなそれに、兄はにぃと口角を吊り上げ返答する。肯定も否定もし難い問いだった。衣服を中途半端に着たままにするのが特段好きなわけではないが、今日は白い肌と暗い色とのコントラストが酷く妖艶に思え、脱がさなかっただけだ。確かに、くしゃくしゃになった衣服と、着ているとは到底言い難いほどたくし上げて肌を露出した姿は非日常を演出しているようで扇情的だという事実に変わりはないが、そちらは口に出さないでおくことにした。
「烈風刀だって、着たままなの嫌いじゃないだろ?」
「洗濯が面倒ですけれど」
はいやいいえではない、曖昧な答え。仔細に問い質してやりたくもあるが、今はやめておこう、とその目を見つめたまま組み敷いた白をなぞる。もぞりと動いた拍子に、たくしあげていた裾がわずかにずれ落ち、肌を隠すという役目を果たそうとしているのが見えた。再びその端を摘み、今度は喉元まで勢いよくめくりあげる。次いでこぼれた声は、先程のくすぐったさによるそれとは随分と違うように思えた。
ほんと、まっしろ。
今一度呟き、温かな雪原を撫でる。色を失ったようなそこがもう少しで別の色を宿すことを考えて、雷刀は小さな笑みをこぼした。
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#ライレフ
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SDVX
2024/1/31(Wed) 00:00
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お腹を触るのが好きという話。あと飯食えって話。
シーツの上に散らばる髪よりもずっと深い、海の底のような青に触れる。その裾をつまみ、雷刀はなだらかな身体を撫でるように薄いそれをめくっていく。すぐ下から現れた肌は、冬の冷たい陽光を浴びた雪のように白く、薄暗い部屋の中ほのかに輝いていた。元より色が薄いのもあるが、その身を包んでいたシャツの色と己の手との対比で更に色を失っているように見えた。
胸のすぐ下、中途半端に押しやった薄布から手を離し、少年は晒されたそこに直接触れる。見た目よりもずっと硬く、血の通った温度をしたそこは、指一つつけただけで反射のように震えた。そのまま恐る恐るといった調子で肌の上を滑っていく。見た目通りなめらかな白は触り心地の良いものだ。
「くすぐったいですよ」
ふふ、と小さな笑い声が耳をくすぐる。手を伝ったずっと先、烈風刀は寝転がったままで腹部を撫でるその手を眺めていた。言葉に反して、抵抗する様子は一切ない。好きにしてくれ、と言わんばかりに、その腕はシーツの上に投げ出されていた。
「ほんと、烈風刀の肌ってしっろいなぁ」
「貴方が日に焼けただけでしょう」
証明するように、烈風刀は腕を伸ばし兄のそれを掴む。触れた手とその甲、すらりと伸びゆくそれは、すっかりと日に焼けた雷刀のそれより少し薄く色づいているが、肘を過ぎた二の腕のあたりは腹部と同じ白を保っていた。何も着ない上に日焼け止めを塗らないからこうなるのですよ、と弟はどこか愉快そうに笑う。
つい先日、何年ものすれ違いの末、ようやく愛しいレイシスと海に行く事が叶った少年二人ははしゃぎにはしゃいだ。夏の強い日差しの下、同じく約束づけた友人らと日が暮れるまで様々な遊びに興じた彼らの肌が健康的に色付いたのはごく自然なことである。ただ、烈風刀は日焼け止めを塗り、パーカーを着ていたので多少その被害が抑えられていた。露出していた部分は健康的な色で染まり、薄い布地で保護されていた箇所は元のままだ。そのはっきりと分かれた二色の対比はどこか艶めかしい。そう感じるのはオレだけかもしれない、と雷刀は眺めてぼんやりと考える。否、そもそも潔癖で鉄壁で純粋で純潔な烈風刀のこんなところを見ることができるのは、自分ぐらいだ。ならばどう思っても全く問題はあるまい。弟のこんな姿を見るのは自分一人だけでいい。
しっかりとした筋肉のついた硬い腹を撫でていく。へその下から撫で上げ、そのまま脇へと向かうと、また笑い声があがった。くすぐったそうにもぞもぞと動く様は、常は大人びた雰囲気をまとう彼にしては珍しく幼く見えた。
「……ちゃんと飯食ってるよな?」
「食べていますよ。何ですか、いきなり」
「いや、細くね? 大丈夫か?」
脇腹からわずかな曲線を描く腹を超え、反対の脇へ。なぞったそこの距離は酷く短く思え、雷刀は少しの焦りを覚える。下手をすればレイシスよりも細いのでは、と不穏な疑問がよぎった。
「そうですか?」
疑問符を浮かべた様子で、烈風刀は兄と同じように己の腹部を撫でる。示されたルートを辿り首を傾げる姿は、投げかけられた疑問が全く理解できないと言った調子に見えた。
「なぁ、明日から飯増やそ?」
「だから食べていますってば。体質によるものではないのですか?」
「だってオレはふつーだし」
ほら、と腹部に置かれた手を取り、雷刀は自身の腹にそれを引き寄せた。烈風刀は肘をついて少し起き上がり、示された硬いそこをぺたぺたと触る。細い指が先程と同じ動きで肌を撫ぜる。他者に触れる故か慎重なその手つきに、むずむずとこそばゆさを覚えた。思わず小さな笑いを漏らすと、ほら、といった風に碧の目がいたずらげに訴える。なるほど、確かにこれは笑ってしまうのも無理はない。
「やはり変わらないと思いますが」
「そーか?」
「メジャーがあったはずですし、あとで測ってみますか?」
あとで、の部分がどこかゆっくりと聞こえたのは気のせいか。そーだな、と手早く切り上げ、雷刀は再び白い肌に手を伸ばす。先程と同じ道を辿り、今度はたくし上げた服の下へ。ひくりとその身体が震えたのは、気のせいではないはずだ。
「……脱がさないの、好きですよね」
へんたいみたい、と罵る弟の声はその語に反して柔らかい。じゃれつくようなそれに、兄はにぃと口角を吊り上げ返答する。肯定も否定もし難い問いだった。衣服を中途半端に着たままにするのが特段好きなわけではないが、今日は白い肌と暗い色とのコントラストが酷く妖艶に思え、脱がさなかっただけだ。確かに、くしゃくしゃになった衣服と、着ているとは到底言い難いほどたくし上げて肌を露出した姿は非日常を演出しているようで扇情的だという事実に変わりはないが、そちらは口に出さないでおくことにした。
「烈風刀だって、着たままなの嫌いじゃないだろ?」
「洗濯が面倒ですけれど」
はいやいいえではない、曖昧な答え。仔細に問い質してやりたくもあるが、今はやめておこう、とその目を見つめたまま組み敷いた白をなぞる。もぞりと動いた拍子に、たくしあげていた裾がわずかにずれ落ち、肌を隠すという役目を果たそうとしているのが見えた。再びその端を摘み、今度は喉元まで勢いよくめくりあげる。次いでこぼれた声は、先程のくすぐったさによるそれとは随分と違うように思えた。
ほんと、まっしろ。
今一度呟き、温かな雪原を撫でる。色を失ったようなそこがもう少しで別の色を宿すことを考えて、雷刀は小さな笑みをこぼした。
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